どんな強いデッキでも、最悪の手札ならなすすべなく負ける。
TCGプレーヤーなら、痛いほどわかっている事実だ。
だからこそ、私たちプレーヤーはそんな最低の結果・手札を避けるため、
デッキ構築の際には、細心の注意を払う。
事故が起きないように、少ない枚数で動けるように、
キーカードをサーチできるカード多めに入れる、など。
そうしてきちんと組んだデッキでも、
いざ回してみると、事故が起きてしまう。
TCGゲーマーなら誰しも経験があることだろう。
だが、待ってほしい。
事故の原因の1つは確かに、デッキ構築だ。
だが、もう一つ。
TCGとは切っても切れないもの。
それはシャッフル。
事故が起きたときに、
『こいつ引きすぎだな~、減らすか』とか
『やっぱりこいつは3枚いる!』なんて言葉は聞くが、
『シャッフルが悪り~よ』なんて言葉は聞いたことがない。
だがしかし、みんなは経験がないだろうか?
フリーで回していると、
『あれ?さっきから同じようなカードしか引いてないぞ??』
と。
もっと色んなカードを入れているはずなのに、
特定のカードたちしか引かない。
それは、デッキ構築ではなく、
あなたのシャッフルが悪いからかもしれませんよ??
手札事故を回避できるシャッフルはどれだ?
と、すみませんね、前置きが長くなりました(笑)。
今回は、事故回避のためのシャッフルを探したいと思います。
皆さん、普段はどんなシャッフルをしていますか?
ヒンズーシャッフル?ファローシャッフル?
世の中いろんなシャッフル方法があるけど、
一番優れているのはどれなんでしょうね。
とふと思い、調べてみると、検証している方がおりました。
TCGにおけるシャッフル手法に関する計算機実験を用いた考察
野瀬彰大様 深川大路様
こちらの方々が、シャッフルについての論文を出されていました!
ありがたいですね!
この論文のタイトルで検索すれば出てくるので、興味のある人はご覧ください。
内容は、そのままTCGにおける理想のシャッフルを追求したものです。
この方たちもTCGプレーヤーだったんでしょうかね?
今回は、この論文を参考に、各シャッフル手法についてお話します。
ヒンズーシャッフル(カット)
一般的なシャッフル方法ですね。
シャッフルといったらこれ!って感じ。
ただ、このシャッフルはTCGにはあまり適していません。
カードを複数プレイヤーに配るトランプでは、
さほど影響はないのでこのシャッフルでも問題はないです。
ただ、特定の組み合わせを希望するTCGでは、あまりよくないです。
先ほどの論文によると、ヒンズーシャッフルは、
特定枚数のカードを上下に重ねているだけです。
全体が均一にシャッフルされないので、
このシャッフルをいくら繰り返しても、カードの並びが大きく変わりません。
なので、試合後にヒンズーシャッフルをしても、
先ほど使ったカードたちがそのまま初手に来る、ってことも全然ありますね~。
ファローシャッフル
ショットガンシャッフルも同じ手法ですね~。
カードを互い違いに差し込むので、
一見非常によく混ざるように思いますね。
ただ、互い違いということは、
もともと近くにあったカードたちは、さほど離れない、ということ。
一回だけファローシャッフルをして、
カードを引くと、初手の5枚中2~3枚は最初と同じカード、ということ。
ただ、一番お手軽に、
均一なシャッフルができるので、ほかのシャッフルと組み合わせると、
より効果を発揮します。
ちなみに、ファローシャッフルはちょっと難しいので、
できない方は練習しておくのを推奨します!
ディールシャッフル
説明が難しいですが、
カードを数えつつ、目の前に1枚ずつ並べていき、
山札を何分割かにする、って感じ(わかるかな?)
イメージ↑みたいな感じ。
一枚一枚作為的に散らしていくので、
全シャッフル中格段に良く混ざります。
上手くカードがばらけるので、非常に効率的。
ただ、欠点が2つ。
1つは、シャッフルとみなされないこと。
は?シャッフルって言ってるじゃん?
ってご意見あると思いますが、
あくまでトーナメントシーンの場合です。
公式大会などでは、試合前のシャッフルに
ディールシャッフルのみを行ってゲームに臨むのはNGなのです。
(ディールシャッフル後に、ほかのシャッフルをすればOK)
2つ目は時間がかかること。
まあ、遊戯王なら1分あればできると思いますが、
大会ではあんまりのんびりできないですね。
とは言え、最もカードを均一にばらせるのはこのシャッフル、
という結論が、論文でも出ています。
(1種類のシャッフルのみの話ですが)
試合が終わったタイミングなど、
区切りの場面ではディールシャッフルがオススメです。
一番事故らないシャッフル方法は?:結論
ディールシャッフル+ファローシャッフル3回+ヒンズーシャッフル3回
これが、個人的には1番かなと。
ディールシャッフルで、ゲーム中に偏ったカードたちを均して、
ファローシャッフルでさらにランダム性を担保。
最後に、大会ルールにも引っかからないように、フェアにヒンズーシャッフルを適当に。
どうでしょうかね?
良く、同じカードばかり引くって人は試してみて下さいね。
あとは、デッキ組んだ直後の一人回し。
このタイミングでは、必ずディールシャッフルしましょう!
もちろん、サーチ後のシャッフルとかは、
時間がかかるのでファローシャッフル等で済ませてくださいね(笑)。
ただ、1点ご忠告!
ファローシャッフルは、スリーブによってはかなりやりにくいです。
横入れに失敗すると、裂けることもある。
なので、ある程度練習しておくのは必須ですね~。